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2013年9月 7日 (土)

鉄拳の文字と漢字の使用

 2つの古墳から出土した鉄剣が、雄略天皇の大和王権の勢力が全国に及んでいたことを示しています。埼玉県の稲荷山古墳の鉄剣(さいたま史跡の博物館で常時展示)には、115の金文字が象嵌(ぞうがん)されており、「西暦471年にワカタケル大王の天下統治を助けた記念に作った」旨の日本最古の漢字が刻まれています。同時代の熊本県の江田船山古墳から出土した鉄刀(東京国立博物館蔵、特別展などで展示)にも、銀象嵌で74文字が刻まれており、「天下を治めるワカタケル大王に仕えた事」が残されています。日本で書かれた最古の漢字が、歴史を明確に伝えてくれるのです。

奈良県の石上神宮(いそのかみ)に伝わる七支刀(しちしとう)は、369年に百済王の王子が倭王に贈ったもので、刃の表裏に金象嵌で61文字の銘文が刻まれています。こちらは、石上神宮を訪れた際、非公開との事で残念に思っていましたが、2013年春の東京国立博物館の大神社展で拝観でき大感激でした。

Photo_3

同様に、外国で刻まれた文字で日本に残るものとしては、57年に後漢の光武帝から贈られた漢委奴国王の金印(福岡市博物館で常時展示)が有名ですが、さらに古いものが有りました。佐賀県の吉野ケ里遺跡の甕棺墓から出土した紀元前の中国製銅鏡に刻まれた漢字で、「長い間会えなくても、いつまでも忘れないで」の意味の八文字が残されています。大陸や半島から多くの人が渡来したにもかかわらず、五世紀まで漢字が日本で使われなかったのが不思議です。全ての言葉には霊力が有り、ある言葉を口にすると現実となると信じられていた「言霊思想」が、文字文化の流入を阻んだとも言われています。

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